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携帯基地局について

携帯基地局について

こちらのページは、移動体通信業者より携帯基地局の建設工事・保守メンテナンス業務を請け負う株式会社バディネットによる「携帯基地局について」の解説記事となります。各種お問い合わせは、本ページ下部にある「お問い合わせ」ボタンよりお願いいたします。

携帯基地局とは

別名「ベースステーション(BS)」とも呼ばれる携帯基地局は、携帯電話(スマホ・スマートフォン・PHS)等の移動体通信機器と無線通信を行い、直接電波を送受信するための装置や場所のことで、基本的にアンテナと送受信機で構成されています。ここでいう「無線通信」とは、音声通話を始め、インターネット上のオンラインゲーム、Yahooやgoogleでの検索、YouTubeなどの動画視聴を指します。私たちが日常的に使用している様々なアプリケーションは、全国各地に設置されている携帯電話基地局によって利用できているのです。

また、Wikipedaによると、下記のように定義されています。

総務省令電波法施行規則第4条第1項第6号に「陸上移動局と通信(陸上移動中継局の中継によるものを含む。)を行うため陸上に開設する移動しない無線局(陸上移動中継局を除く。)」とある。「陸上」とは、第3条第1項第5号により「河川、湖沼その他これらに準ずる水域を含む」ものである。また、第3条第1項第8号には、陸上移動業務を「基地局と陸上移動局(陸上移動受信設備を含む。)との間又は陸上移動局相互間の無線通信業務(陸上移動中継局の中継によるものを含む。)」とある。

ちなみに、1つの基地局が処理できる通信量は限られているため、人の多い場所では同じ場所に複数の基地局が置かれていることもあります。

携帯 基地局

基地局アンテナの種類

基地局のアンテナですが、基本的にはビルの屋上など高い場所に設置されます。これは、電波を飛ばしたい方向(狙いたいエリア)に対して遮るものがないように、電波を届きやすくするためです。地方へ進むと高いビルが少なくなってくるので、新たに鉄塔を建てるなどしてアンテナを高い場所へ設置しています。

また、基地局アンテナは、設置場所によって以下の4つ分類されます。それぞれカバーする範囲が異なるため、設置場所や利用者数などに応じて選定されます。

◆鉄塔タイプ
高さ20-50m程度の鉄塔に設置される基地局アンテナです。主に郊外の見晴らしの良い場所に設置され、カバー範囲(セル)は半径3-6kmとなります。

◆ビル設置タイプ
都心部、街中のビルが密集している場所に設置される基地局アンテナです。高いビルの屋上などに設置されます。カバー範囲(セル)は、半径1-3kmとなります。設置には地主より屋上を借りる必要があります。

◆小型基地タイプ
主に電柱に設置される小型・軽量の基地局アンテナで、コンクリート柱タイプとも呼ばれています。カバー範囲(セル)は半径200-500mで、住宅地等の狭い範囲・小規模エリア向きです。

◆屋内アンテナタイプ
地下街や地下鉄の駅、大型ビルや高層フロアの内部など、電波が届きにくい狭いエリアをカバーするために設置されます。カバー範囲(セル)は、半径約30m程度となります。

セルとは

基地局には電波の届く範囲があり、この範囲は「セル」と呼ばれています。このセルの外では電波が届かないので、端末では「圏外」になってしまいますが、当然それでは困るので、新しいセルを増やすために基地局を新たに建てていきます。

エリアカバーが出来ていない箇所に新たにアンテナを取り付けるということは「全部カバー出来たらもういらないじゃない。」と考える方もいるかもしれません。しかし、実際は送受信している電波には、反射/透過(跳ね返りや、突き抜けること)、回析(回り込む)、干渉(電波同士で強め合ったり打ち消す)など特性があり、なかなかの曲者です。この特性により、周囲の状況の変化にも影響されてしまいます。簡単な例を説明してみましょう。

◆CASE1「基地局を建てていたビルが取り壊された」
「単純に近くに建てればいいじゃん」と思う方もいるかもしれませんが、もともと基地局が建てられていた場所がそのエリアをカバーするために適した位置だったので別の場所だと同じようなカバーはなかなか実現できません。そのため、新しい場所へ基地局を移した結果、カバーできなくなった範囲が出来てしまったりすることがあります。

◆CASE2「基地局の周辺で環境変化があった」
電波の曲者っぷりを思い出してください。反射/透過、回析、干渉でしたね。これにより周囲の環境変化、例えば「基地局を設置しているビルの周りに高層ビルが建った」などの影響でカバーしている場所の電波状況が悪くなる場所が発生したりすることがあります。極端ともいえる解説ですが、理解としてはまずはこの考え方で問題ないかと思います。

それにしても、こういった環境の変化により移動体通信業者は新しい基地局設置位置を選定したり、ポイントでカバーするシステムを考えたりとかなり大変そうですね・・・。

通話の仕組み

さて、基地局について簡単に説明してきましたが、スマホなどの携帯端末で通話をするときにどのような仕組みで通話が成り立っているのかを見ていきましょう。

◆「AさんがスマホでBさんへ電話をした場合」
この場合、発信元のAさんのスマホから発信された電波を近くの基地局が受信します、その受信した電波を受信する側にいるBさんの近くにある基地局から電波をBさんへ送信。このような流れで音声データをやり取りして通話が成り立っています。

さて、この原理で言うと基地局と基地局は直接やり取りしている風に感じてしまいますが、実際は間に一つ中継点を挟んでいます。その中継点は交換局と呼ばれています。

交換局は基地局をまとめるリーダー的な役割

基地局と交換局は主に光ケーブルで繋がっていて、基地局が受信した電波は信号へ変換され交換局へ届けられます。そして交換局から別の基地局へ信号が届いた後、基地局で電波へ変換されて端末へ届くことになります。前述の例に合わせると下記のような順序となります。

◆Aさん⇒基地局A(信号へ変換)⇒交換局⇒基地局B(電波へ変換)⇒Bさん

基地局と端末は無線で繋がり、その先は有線で繋がっています。この仕組みにより電波出力を小さくすることができたため、私たちが何気なく使っている携帯電話は現在の携帯できる大きさに出来たようです。この仕組みを考えた人は偉大ですね!それでは、どのようにこの携帯基地局が設置されているのでしょうか。携帯基地局建設工事の流れ・手順のページで詳しく説明しています。