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携帯基地局建設工事の流れ・手順

携帯基地局建設工事の流れ・手順

こちらのページでは、移動体通信業者より携帯基地局の建設工事業務を請け負う株式会社バディネットによる「携帯基地局建設工事の流れ・手順」の解説記事を紹介しています。各種お問い合わせは、本ページ下部にある「お問い合わせ」ボタンよりお願いいたします。

部材(材料)がないと始まらない

携帯基地局を建てるための工事は、営業(置局交渉)から始まり、長い計画の最終段階となります。実際に工事を実施するために必要となるものとして「部材」があります。簡単にいえば基地局建設に必要な材料のことですので、これがないと工事を始めることはできません。

アンテナや無線機はもちろんのこと、無線機を設置するための架台やケーブル類、コネクター類や配管類など、基地局の建設工事では多くの部材が必要となります。この部材が足りないと工事の計画・予定が崩れてしまうため、しっかりと図面を確認し、時には携帯基地局設計担当へも確認し注文する必要があります。

携帯基地局の設計担当が作成した図面から部材を確認し各メーカーに注文する、これは「部材の拾い出し」とも言われています。メーカーに注文するわけですから部材が揃うまでにはある程度の時間が必要となり、この期間も考えて基地局工事日程をオーナーへ伝える必要があります。

基地局 工事

施工計画書の作成

さて、工事が基地局建設の締め部分にあたると前述しましたが「部材を用意し、いざ工事へ!!」と、そんな簡単に携帯基地局の工事は実施できません。工事を実施する前には、現場作業を効率的に行うための計画書を作成する必要があります。その計画書は「施工計画書」と呼ばれています。

施工計画書の内容は様々ですが、下記の5点を記載しているものがほとんどです。
① 工事概要
② 体制表
③ 作業員名簿
④ 手順書
⑤ 安全対策等

携帯基地局の建設工事を実施することは事故のリスク(危険性)があるので、特に安全面については重要な内容と考えられています。そして、施工計画書の提出と共に施工前の打ち合わせを元請会社と実際に施工を行う工事会社で実施します。

ここまでやるかと思う方もいるかもしれませんが、事故のリスクを少しでも減らし、かつ効率的に工事を進めることが社会的信用を得るための一番の近道となるのです。

携帯基地局工事前にやること

工事前に必ず実施するミーティング。ここでは作業員の下記内容の体調確認から始まり、その日の作業内容の確認、安全装備の確認、そして「KY(危険予知)」活動も実施されます。

①作業者の体調確認
各作業員のその日の体調を確認します。体調不良でフラフラな人を現場で作業させるわけにはいきません。そのため、現場前にしっかりと確認しておく必要があります。夏などは熱中症のリスクなどもあるため、日々の体調管理はもちろんのこと、作業中に体調が悪くなったりした場合もすぐに報告をするようにしています。

デスクワークの場合、少し体調が悪い程度であれば頑張る人も多いかと思いますが、工事現場では判断を誤ると命を落とす危険もあるため、日々の体調管理や体調の変化に敏感になる人は多いです。

②工事内容の確認
その日の作業内容、そして作業手順を確認します。現場では手分けをして作業をすることが多いので、作業内容やその手順を事前に共有しておくことで作業の効率化を図ります。また、その作業場所で必要な安全装備の確認もすることで、事故の発生を防ぐこともできます。

③KY活動
その日の作業における危険を事前に予知し、その対策を作業メンバー全員で考えます。KY活動では人身事故だけに限らず、破損事故等あらゆる内容の事故につながる危険を予知しておくことで、作業中に発生する事故のリスクを抑える役割を担っています。

このKY活動を適当に実施している作業班は安全に対する意識が低く、作業自体も雑な傾向にあります。そのため、しっかりと指導を行い現場へ送り出すことが重要となります。

工事中の休憩は必ず取る

ミーティングを終えた後に作業を開始しますが、ここから重要となってくるのは「休憩」です。人間は一日中ずっと集中できるものではありません、時間の経過とともに集中が薄れていきます、その結果、いつもはしないような「不安全行動」をしてしまい事故発生となることがあります。

しかし、休憩をは挟むことにより、そのリスクを軽減できるため、小まめな休憩を取り入れている作業班は多いです。もちろん、作業予定内での完工もしなければならないため、無計画に休んでばかりではダメですが、優れた作業班はそのバランスをしっかりと考えて作業をこなしています。

最後は来た時よりも美しく

作業が完了し、現場を離れるときは掃除をしっかりとして作業現場を後にします。携帯基地局の現場はビルの屋上など高所であることが多いため、ビスやナットなどを現地に忘れて帰ることにより、それらが風に飛ばされ屋上から落下し人や物にぶつかり大事故に発展してしまうといったリスクもあるため、掃除と最終確認は徹底する必要があります。

また、居住者の方がいる場所での作業も多いため、ゴミや汚れに関してのクレームが発生することもあります。そのため、作業員は「来た時よりも美しく」を意識して作業現場を離れるようにしています。

作業後の竣工図書

さて、工事が終わったとあとは最後の竣工図書作成です。現場では関係者がゾロゾロと毎日立ち会うわけにもいかないので、この竣工図書を提出することが「工事が完了しましたよ」の報告となります。

大体が、工事前と工事後の写真をわかりやすく添付した書類となっており、機器設置場所、配管ルート、電源取得箇所、パノラマなど項目別になっています。この竣工図書を提出することで、携帯基地局建設工事の一連の流れは完了となります。