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サイネージ

2025.08.07

デジタルサイネージとは?
基本的な仕組みや導入時の課題、保守の重要性を解説!

サイネージ

デジタルサイネージ(Digital Signage)とは、ディスプレイやタブレットなど映像を出力する電子機器を活用して、広告や看板といった用途で情報発信を行うシステムの総称です。デジタルサイネージの種類や導入メリット、活用方法などを解説しているので、ぜひ最後までお読みください。

デジタルサイネージとは?

デジタルサイネージ(英語ではDigital Signage)は、ディスプレイやタブレットなどを活用して映像を表示するシステムのことです。販促や広告をはじめ、最新情報を届けたりオフィス内での情報共有を行ったりするなど、さまざまな用途があります。

どこでどのようにデジタルサイネージが活用されているか、簡単に解説します。

  • 公共交通機関:電車や空港などで、運行情報や待ち時間などをリアルタイムに発信する
  • 屋外(主に町中):歩道の上や建物の外壁などに、商品やサービスの広告・販売促進を目的として情報を発信する
  • 商業施設内:スーパーマーケットやカフェ、レストランなどに、セール品の情報を発信したり料理のメニューや施設内の案内を表示したりする
  • 医療機関:病院や薬局などに、待ち時間や呼び出し状況、施設案内などを表示する
  • オフィス:社内で多くの人の目に留まる場所で、会議室の使用状況や社内掲示板を表示する

このように、デジタルサイネージはさまざまな場所で活用されているシステムです。

デジタルサイネージの仕組みとは?

デジタルサイネージを配信・更新するには、4種類の方法があります。

  1.  スタンドアロン型
  2.  ネットワーク配信型
  3.  クラウド型
  4.  インタラクティブ型

どの方法にもメリット・デメリットや設置におすすめのケースがあるため、それぞれ詳しく解説します。

①スタンドアロン型

スタンドアロン型とは、ネットワークを活用して外部と通信を行わず、ディスプレイ単体が独立して広告を表示する仕組みのことです。一般的にはディスプレイにSDカードまたはUSBメモリを差し込み、映像を映し出します。

メリットとしては、インターネットの開通工事や設定などを行う必要がないこと、ディスプレイを設置してしまえば即日使い始められることが挙げられます。一方、映像を変える場合には毎回SDカードまたはUSBメモリを抜き差しする必要があること、表示できる映像に制限があるため見ている人に飽きられやすいことがデメリットです。

デジタルサイネージの導入予算が限られているケースや凝った映像表現を求めない場合には、スタンドアロン型デジタルサイネージの導入がおすすめです。

②ネットワーク配信型

ネットワーク配信型とは、その名の通りネットワークを通じて映像を映し出すタイプのデジタルサイネージです。

ネットワーク経由で表示する映像を変更できるため、コンテンツの差し替えが簡単であること、社内ネットワークを活用すればセキュリティ面でも安全に運用できることがメリットとして挙げられます。

一方、社内ネットワーク経由で映像を映し出す場合は社内にサーバーを設置しなければならない、管理責任者が必要になるなど、導入コストは高めです。

「セキュリティ的にも安心感があり、かつ複数の店舗で同じ映像を同じタイミングで映したい」という企業に向いています。

③クラウド型

クラウド型は、インターネット上にあるクラウドサービスを活用して映像を出力する方法です。ネットワーク配信型と似ていますが、自社でサーバーを用意しなくて良いため導入コストが比較的低くなります。

インターネット回線があれば、どこでも遠隔でディスプレイを操作したり配信するコンテンツを変更できたりするなど、使い勝手が良いです。一方でサービスの利用料がかかったり、サービスを提供している会社側のサーバーで不具合が発生するとうまく映像を出力できなかったりする点に注意が必要です。

「ランニングコストが多少発生しても、効率的に複数の店舗で同じコンテンツを出力したい」という企業に向いています。

④インタラクティブ型

インタラクティブ型のデジタルサイネージは、こちらから一方的にコンテンツを出力するだけでなく、利用者と双方向のやり取りができる点が特徴です。

ディスプレイにタッチして施設内のお店の情報を表示したり、観光地の案内を表示したりできます。イメージとしては、巨大なタブレット端末のようなものです。利用者が知りたい情報をピンポイントに伝えられる点が魅力です。

一方でインタラクティブ型は、システムやネットワークの利用料が毎月発生します。またタッチパネル対応のディスプレイは、非対応のディスプレイと比較して販売価格が高い点もデメリットといえます

デジタルサイネージのメリット

デジタルサイネージを導入するメリットとしては、以下の4つが挙げられます。

  1. 狙ったターゲットに訴求できる
  2. 分かりやすく魅力的な訴求ができる
  3. 運用コストや手間を抑えられる
  4. 複数の場所でリアルタイムな発信ができる

どういうことか、詳しく解説します。

①狙ったターゲットに訴求できる

情報を届けたい相手に対してアプローチしやすい点が、デジタルサイネージの導入メリットとして挙げられます。

設置する場所や時間帯に応じて柔軟に表示するコンテンツを変更できるため、ポスターや看板といった従来型の広告よりもその時・その場所にいる利用者に合った情報を発信しやすいです。

またセンサーやカメラ、分析ツールを組み合わせて活用すれば、利用者の年齢層や性別、行動に応じたコンテンツを表示できるため、より効果的に情報を届けられます。

②分かりやすく魅力的な訴求ができる

デジタルサイネージの最大の特徴は、静止画を表示するだけでなく、動画や音声も再生できることが挙げられます。そのためチラシやポスター、看板よりも直感的に伝わりやすく、かつ利用者の注目を集めやすいです。

一般的に、文字を眺めるよりもイラストや動画で視覚的に情報を伝えた方が、相手を惹きつけやすいです。またデジタルサイネージは明るいため、暗い場所でも多くの人の目に留まりやすい点も魅力といえます。

③運用コストや手間を抑えられる

デジタルサイネージはポスターや看板よりも運用にかかるコストが低いです。

たとえば看板を設置する場合、印刷にかかる費用や設置代、撤去費用などが発生します。広告内容を頻繁に変更する場合は、これらのコストが都度発生してしまうため割高です。

一方デジタルサイネージなら、コンテンツを作成する費用はかかるものの、一度設置してしまえば使い回しやすいため、設置・撤去にかかる費用が発生しにくいです。ネットワーク配信型やクラウド型、インタラクティブ型であれば、複数拠点の広告を一斉に切り替えられるため効率的である点もメリットといえます。

④複数の場所でリアルタイムな発信ができる

複数拠点で最新の情報をリアルタイムで発信できる点も、デジタルサイネージを活用するメリットといえます。

ポスターやチラシといった紙媒体の場合、情報に変更があった場合には印刷工場に依頼して新しい制作物を作ってもらい、各拠点で張り替え作業を行わなければなりません。制作物が届くまでに時間もかかります。

一方デジタルサイネージなら、コンテンツさえできればすぐに複数拠点へ、一括して情報を発信可能です。

デジタルサイネージの導入方法

デジタルサイネージを導入する際に押さえておきたいポイントを2つご紹介します。

  1. ディスプレイやネット環境を準備する
  2. 法規制への対応を確認する

上記のポイントを押さえることで、円滑にデジタルサイネージを導入・活用できます。どういうことか、詳しく見ていきましょう。

①ディスプレイやネット環境を準備する

デジタルサイネージを導入する際には、下記のようなシステムを構成する複数の要素をそろえておく必要があります。

  • ディスプレイ
  • STB(セットトップボックス)
  • インターネット環境

情報を表示するための媒体である「ディスプレイ」は欠かせません。常に映像を流す必要があるため、一般的なモニターやテレビよりも耐久性が求められます。屋外に設置する場合は、耐候性にも注意が必要です。またディスプレイを選ぶときは「縦型か横型か」「サイズはどうするか」を検討する必要があります。

STB(セットトップボックス)は、ディスプレイに流すコンテンツを表示させる機材です。HDMIケーブルなどを通じてディスプレイと接続する箱型の機材で、インターネットと接続する機能も備えています。
スタンドアロン型以外のデジタルサイネージを導入する場合は、インターネット環境も必須です。遠隔地にある複数拠点へ一斉にコンテンツを配信するためには、インターネット環境が欠かせません。

②法規制への対応を確認する

デジタルサイネージを導入・活用するなら、法律を遵守することも求められます。どのような法律がかかわってくるか紹介します。

  • 屋外広告物法
  • コンテンツの権利に関する法律

屋外広告物法では、良好な景観の維持などを目的に、屋外広告に対して一定の規制を行っています。デジタルサイネージを屋外に設置する場合は、屋外広告物法の遵守が求められます。自治体によっては景観条例を出している場合があるため、各自治体への確認が必要です。

またデジタルサイネージで表示するコンテンツについても、さまざまな法律がかかわってきます。たとえばスタンドアロン型の場合、複製権や上映権、著作者の財産権といった法律の遵守が求められます。またネットワーク配信型の場合は、公衆送信権や放送権といった法律への対応が必要です。

デジタルサイネージ導入後に必要な保守点検

デジタルサイネージは「導入すればメンテナンスフリー」というものではありません。正しく保守点検を行わないと、デジタルサイネージが故障し、期待していた広告効果を得られないリスクが高まります。

保守点検とは、具体的にはデジタルサイネージの破損やシステム障害への対応、定期的な清掃および点検が挙げられます。たとえば屋外にデジタルサイネージを設置する場合、雨風や紫外線、花粉、粉じんへの耐性が必要です。設置場所によっては人と接触してデジタルサイネージが破損・故障する可能性もあるでしょう。

また定期的な清掃を怠ると、ディスプレイが汚れたままになってしまい、期待していた広告宣伝効果を得にくくなりかねません。

「画面が汚くて、なんとなく良い印象を持てない」
「自社のデジタルサイネージなのに掃除もできないのだろうか」

このような印象を利用者に与えてしまいかねず、悪い印象を持たれてしまう恐れがあります。さらに汚れが蓄積すると、デジタルサイネージそのものが故障するリスクも高まります。

このような理由から、デジタルサイネージの定期的なメンテナンスや清掃は欠かせません。

デジタルサイネージの活用方法

デジタルサイネージをビジネスでどう活用できるのか、具体例を5つご紹介します。

  1. 店舗の屋外広告
  2. オフィスや工場での情報共有
  3. インバウンド向けの情報発信
  4. リアルタイム情報の発信
  5. 空間のコーディネート

詳しく解説していきます。

①店舗の屋外広告

デジタルサイネージの主な活用方法の1つに「店舗の屋外広告」が挙げられます。デジタルサイネージを自社店舗の外に設置することで、付近を通る人に対して自社店舗やサービスを宣伝しやすいです。

デジタルサイネージを屋外広告用として使用するなら、一般的には液晶ディスプレイが使用されます。最大100インチ程度まで大きなサイズがあるため、広告物としては程よい大きさです。

100インチを超える大画面でデジタルサイネージを利用する場合は、LEDディスプレイを活用する場合もあります。

②オフィスや工場での情報共有

オフィスで社内情報や会議室の使用状況を共有する際にも、デジタルサイネージは役立ちます。ネットワークを通じて情報更新を行えば、リアルタイムで社内の情報を可視化しやすいです。

オフィスだけでなく工場でも、デジタルサイネージは活用されています。社内の情報を共有できるのはもちろん、注意情報を共有したり作業目標を徹底したりする場合も役立ちます。

オフィスや工場でデジタルサイネージを活用する場合は、比較的手ごろなサイズで明るさも十分に確保できる「液晶ディスプレイ」を利用するケースが多い印象です。

③インバウンド向けの情報発信

訪日外国人が多く立ち寄る場所にデジタルサイネージを設置し、インバウンド向けの情報発信を行うことも可能です。デジタルサイネージは日本語以外の言語でコンテンツを表示できるため、海外から観光で来た人にも情報を届けやすいです。

たとえば空港や駅にデジタルサイネージを設置することで、多言語で運行情報をリアルタイムに伝えられます。他にも、たとえばホテルにデジタルサイネージを設置すれば、多言語で施設や周辺地域の情報を伝えることが可能です。

こちらも液晶ディスプレイが活用されるケースが多い印象です。設置場所によっては複数の画面を1つのデジタルサイネージとして表示する「マルチディスプレイ」の活用も選択肢として入ります。

④リアルタイム情報の発信

電車や飛行機の運行状況、天気情報、ニュースなどのリアルタイム情報を伝えるうえでも、デジタルサイネージは役立ちます。

デジタルサイネージの強みは、インターネットに接続すれば情報を即時配信できることです。そのため運行状況やニュースなど、常に新しい情報が入ってくる場合にデジタルサイネージは役立ちます。

こちらも液晶ディスプレイが使われる場合が多いです。設置場所によっては、大画面で情報を伝えられる「LEDディスプレイ」や「マルチディスプレイ」を活用するのも有効です。

⑤空間のコーディネート

店内をよりおしゃれに見せるため、デジタルサイネージを活用するのもおすすめです。

たとえば小売店で商品棚に小型のデジタルサイネージを設置すれば、商品のCMを流したりセール情報を伝えたりしやすいです。コンテンツがおしゃれであれば、お店の中の雰囲気もより良いものになるでしょう。

このような用途でデジタルサイネージを導入するなら「電子POP」の活用がおすすめです。他のディスプレイと比較して小さなサイズしかありませんが、商品の陳列棚や卓上に設置するならちょうど良い大きさといえます。

デジタルサイネージの活用事例

デジタルサイネージがどのような場所でどのように活用されているのか、事例を3つご紹介します。

デジタルサイネージをどのように活用できるのか、具体的なイメージを持ちたい方はぜひお目通し下さい。

市役所内にデジタルサイネージを導入した事例

岡山県津山市では、来庁者の利便性の向上を目的として令和3年7月から市役所本庁舎内に「わが街NAVI」という名称でデジタルサイネージを設置しました。

最新の行政・地域情報の配信やタッチパネルでのフロア案内を実現するだけではなく、高いPR効果が期待できるため、地域の団体や事業者の魅力を動画広告として配信するなど、多様な活用が行われています。

※Buddy Net CONNECT編集部にて、「津山市役所本庁舎内デジタルサイネージ「わが街NAVI」設置について」(津山市)を参照し、作成

路上に防災・観光情報を表示するデジタルサイネージの設置事例

国土交通省では、路上変圧器にデジタルサイネージを設置して防災・観光情報を提供しています。実証実験を行ったところ安全に問題がないこと等が確認できたため、占用許可基準を緩和しました。

さいたま市や岐阜市、東京都港区にデジタルサイネージを設置し防災・観光情報を発信したところ「防災情報は7割以上が役に立つと評価を得られた」「交通の妨げにならないことが確認できた」といった結果となりました。

条件付きですが商業広告の発信も可となったため、今後は路上に設置されているデジタルサイネージを見かけることが多くなるかもしれません。

※Buddy Net CONNECT編集部にて、「路上変圧器に設置する「防災・観光デジタルサイネージ」等の占用許可基準を緩和」(国土交通省)を参照し、作成

商業施設内でデジタルサイネージを情報発信に活用している事例

総務省が公開している資料を確認すると、商業施設内でデジタルサイネージを設置し、施設内の情報発信を行っているケースがあるようです。たとえば東京ミッドタウンでは、下記のようにデジタルサイネージを活用しています。

  • イベントの告知
  • 店舗情報の発信
  • 施設案内など

施設内でイベントが行われる時は、放送モニターとしても利用されているそうです。他にもニュースや防災関連情報の発信なども行われています。

※Buddy Net CONNECT編集部にて、「街づくりにおけるデジタルサイネージ活⽤事例」(総務省)を参照し、作成

バディネットがお手伝いできること

日本全国をカバーする施工・保守体制を有するバディネットは、24時間365日有人対応が可能な全3拠点のコンタクトセンターを活用し、スタンドアロン型/ネットワーク配信型/クラウド型/インタラクティブ型、どのようなタイプのデジタルサイネージにも、機器の選定から、現地調査、設計から施工、保守、定期点検までワンストップでご提案が可能です。

設置場所は屋内・屋外を問わず対応可能で、店舗や商業施設内から、オフィス・テナント(アパレル・飲食店)や工場・公共交通機関(駅・空港)やイベント会場まで幅広い施工実績がありますので、事業者様の様々な要望に柔軟に対応いたします。

まとめ

デジタルサイネージは、情報発信の効率化や利用者サービスの向上に加え、広告やPRの手段としても大きな可能性を秘めています。導入には機器選定や設置環境、保守体制の整備などが求められますが、活用の工夫次第で多様な価値を生み出すことができます。

デジタルサイネージの役割を正しく理解し、目的に沿った運用を継続することで、活用価値はより一層高まっていくでしょう。

バディネットでは、全国に広がる施工・保守ネットワークと通信インフラ分野で培った技術力を活かし、デジタルサイネージの設置から運用・保守まで対応可能です。サイネージの導入で施工会社をお探しの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の著者

Buddy Net CONNECT編集部

Buddy Net CONNECT編集部では、デジタル上に不足している業界の情報量を増やし、通信建設業界をアップデートしていくための取り組みとして、IoT・情報通信/エネルギー業界ニュースを発信しています。記事コンテンツは、エンジニアリング事業部とコーポレートブランディングの責任者監修のもと公開しております。

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