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置局とは?交渉(折衝)設計等の施工管理業務

置局とは?交渉(折衝)設計等の施工管理業務

こちらのコラムページは「置局とは?交渉(折衝)設計等の施工管理業務」についての記事となります。

携帯基地局の建設では、必ず「置局折衝」という言葉が出てきます。折衝は一般的ですが、もう一方の「置局」とは、どのような意味でしょうか?(読み方は「ちきょく」です)

簡単に説明すると「基地局を設計(建て)させてください」と交渉する業務のことです。ちなみに、この交渉担当は「置局員」や「交渉員」などと言われています。

営業とほぼ同義ですが、基地局設置のスペースを借りる代わりにお客様(不動産オーナー)に賃料を支払いますので、何かしらの商品やサービスを売ってお客様からお金を貰う一般的な営業とは少し異なります。

「代金を支払う側ではなく受け取る側ならば断る人がおらず、置局交渉は誰でもできる簡単な業務なのでは?」と思われるかもしれませんが、実はそう簡単ではありません。そんな置局折衝とはどんな業務なのかを説明いたします。

置局折衝が難しい理由

まず、基地局建設の構成について大別すると「アンテナ」と「無線機」で成り立っています。無線機はどこでも置ければいいのですが、アンテナは基本的に高い場所への設計が必要となります。そこで、置局交渉員はビルやマンションの屋上を狙って設置場所を探すのですが「基地局の重さ」がネックとなります。

基地局は、アンテナと無線機で成り立っていると上述しましたが、アンテナを設置するための支持柱と無線機を置くための台(架台)が必要となります。アンテナ・無線機・アンテナ支持柱・架台と点数が多くなり、それらを合計すると相当な重量となります。

もちろん、技術進歩により機器の小型化は進んでいるのですが、まだまだ軽量には至らないため、その点数・総量から基地局の設置に納得していただけない方もいらっしゃいます。

また、基地局設置に対しての設計を問題とする方も多く存在します。基地局を設置する際、鋼材を固定する必要があることから建物に穴を空けることがあります。この穴あけは、建物に少なからずダメージを与えることとなるため、その工法によっては設置を嫌がる方もいるというわけです。

分譲マンションの居住者全員が交渉相手

マンション屋上への設置となった場合、最初の交渉先はマンションの管理会社となりますが、最終的にはマンションに住んでいる方々皆様に納得していただくことで、晴れて設置が可能となります。

この居住者全員に説明をする機会は、理事会や総会となりますが、理事会は基本的に月一回の開催、そして、総会になると年一回の開催となるため、契約締結までは時間がかかることが多くなります。

この理事会・総会での説明、すんなり可決となるケースがある一方、難航する場合もあります。特に電波に関して不信感を持つ方がいる場合、納得していただくことが難しく、最終的に設置がNGとなることも起こります。このような事情から、移動体通信の業者によっては分譲マンションへの基地局設置を避ける傾向があります。

置局 交渉

土地局での交渉

高い建物がないエリアでは、屋上に設置しても目的とするエリアが狙えない場合があります。そのような際は、駐車場や空き地への設置を行います。まず、土地オーナーへ交渉に伺い、次に駐車場や空き地にコンクリート柱や鉄塔を建て、最後に基地局を設置(施工管理)していきます。

この際、土地オーナーより承諾を得られてもすぐに基地局を建てられるわけではなく、周りに住んでいる住民の方々に説明をし承諾を得なければなりません。

この「説明範囲」に入っているのは家屋だけでなく、畑、私道も含まれるため、住宅地図を調べたり登記簿を調べたりと様々な情報を駆使して持ち主を調べる必要があります。

そして、全ての近隣住民の方々へ計画を説明し、理解してもらってから工事に進むことになります。土地局の場合に発生する住民説明、この作業は交渉員としては決して簡単ではない業務となります。

置局の賃料

基地局を設置すると、借地面積に伴い移動体通信事業者から契約者(オーナー)へ賃料が支払われます。この「賃料」の計算としては、基本的に地域の1㎡あたりの賃料から計算されますが、この賃料設定も交渉員の仕事であることが多いです。

そして、賃料交渉をする際にオーナーと折り合いがつかなかった場合は、オーナーの希望賃料を移動体通信業者へ報告し判断を仰ぐこととなりますが、どうしても折り合いがつかずに基地局の設置が不可となることもあります。

置局の電気料金

当然ながら基地局は単に設置しただけでは動きません。動かすためには電気が必要となるわけですが、その電源取得をどうするかで状況が変わってきます。

ビル、マンションなどに設置する場合は、主に建物の電源から電源取得します。土地に設置する場合は、主に電力会社と新規契約をしての電源取得となります。

建物からの電源取得は主に「オーナー受電」と言われますが、基地局使用した電気料金はオーナーへ請求が届くこととなります。当然ながら、その費用は移動体通信事業者が賃料とは別でオーナーへ支払います。

ちなみに、オーナーへ支払う電気料金算出ルールは、基本的に基地局がフル稼働した場合の使用電力から計算されます。しかし、実際には基地局がいつもフル稼働というわけではないので、オーナー側としては増えた電気料金+アルファが支払われるため、実はちょっとお得となります。

置局の契約

各所への説明や、賃料の合意を経て契約書の正本が作成され押印を貰えば、晴れて契約締結となります。契約後も、工事の日程調整などやるべきことは残っていますが、この契約締結が交渉員としては目指すべきゴールとなります。

契約締結に至らず置局設置不可となった場合はどうなるのでしょうか。他の設置候補へ新規交渉となりますが、交渉がうまくいかなかった場合は交渉の費用は支払われないことが多く、正に骨折り損となってしまいます。

それまでの労力を考えますとシビアと感じる面もありますが、商品を売った時にお金が発生するのがビジネスですので、移動体通信業者へ提供できる商品がこの契約締結だと考えれば当然のことだとも考えられます。