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LPWAの規格一覧と比較表

LPWAの規格一覧と比較表

2019年23億円から、2020年72億円、2021年158億円、2022年280億円、2023年には520億円と拡大の一途を辿るLPWA通信の売り上げ規模。用途として社会課題に使われることが多いため、公共性の高さが特徴です。

こちらのページでは、「LPWAの規格一覧と比較表」を紹介いたします。

※当社バディネットではLPWA基地局の工事、センサー設置、保守・メンテナンス業務を行っています。

LPWAの種類は大きくライセンス不要のアンライセンスバンド(特定小電力無線)の通信方式と、ライセンスが必要な通信キャリアの無線方式に分けることができます。

【参考】LPWA比較・一覧表

LPWA 規格 一覧

アンライセンスバンド(非セルラー系)

無線局免許を必要としないアンライセンスバンドは特定小電力無線とも呼ばれ、以下の通信規格が該当します。アンライセンス系LPWAは、主にノイズに強く長距離通信に適したサブギガヘルツ帯の周波数を使用しています。

・ELTRES(エルトレス)
ELTRESとは、SONYとソニーセミコンダクターソリューションズが、2018年9月に発表したLPWA(低電力広地域)無線技術です。空中線電力が20mW、サブGHz帯と呼ばれる920MHz帯を使用する、免許不要な通信規格です。見通し条件で100km以上の伝送性能、時速100km以上の高速移動体でも通信可能、そして、低消費電力といった3つの特徴を持ちます。

・ZETA(ゼタ)
ZETAとは、ZiFiSense社が提唱しているLPWAN(LowPowerWideAreaNetwork)の規格です。超狭帯域(UNB:UltraNarrowBand)による多チャンネルでの通信、Meshネットワークによる広域での分散アクセス、双方向での低消費電力通信といった特長を持つ、IoT向き通信インフラ技術です。ZETAは、他サービスの数分の一の初期費用でシステム構築が可能です。また、LTEなどのキャリアを基本にしたシステムと比較して、一桁少ないランニングコストで運用可能です。

・LoRaWAN(ローラワン)
LoRaWANとは、Semtech/IBM社が中心となって仕様化したLPWAの無線規格の1つで、低速ながら低消費電力、長距離伝送できることが特徴です。その特徴により、既存のセルラー通信と並んで、IoT用途において注目されています。日本ではアンライセンスで運用できるサブギガ帯域と呼ばれる920MHz帯を利用します。LoRaWANの技術仕様は、500社以上の会社が参加するLoRaAllianceにより仕様策定され、パブリックに公開されており、グローバルかつオープンな通信方式です。

・Sigfox(シグフォックス)
SigFoxとは、フランスSigfox社によって仕様策定されたLPWA規格の1つです。LoRaWAN同様に非常に低速(~100bps)ながら低消費電力、長距離伝送UNB(UltraNarrowBand)と呼ばれる狭帯域通信により高い受信感度を確保し、規格上は3~50km程度の距離の通信が可能といわれています。フランスをはじめ、スペイン、オランダ等ヨーロッパで面展開が進んでいます。日本ではLoRaWANと同じく、アンライセンスで運用できるサブギガ帯域(920MHz帯)を利用します。

ライセンスバンド(セルラー系)

ライセンス系のLPWAである下記2点についてご紹介します。いずれも普段スマートフォンなどで利用されているLTEをベースとした方式ですが、IoT向けの利用を考慮された仕様となっています。

・LTECat.M1
「LTECat.M1」は「LTE-M」とも呼ばれ、携帯電話(ガラケー)やスマートフォンで使用されている周波数帯です。ダウンロードが100Mbps以上、アップロードが50Mbps以上の規格です。また、3GPPで標準化されているIoT向けの狭帯域(1.08MHz)の通信方式であることから、広域な通信エリアと省電力性能が特徴です。ハンドオーバー機能を有し、移動体通信も可能です。
※LTECat.M1は、LTEカテゴリの1つで、GPPRelease.13で策定されました。M1のMはMachineTypeCommunicationの略称です。

・LTECat.NB1
「LTECat.NB1」は「NB-IoT」と呼ばれ、スマートフォンなどの通信方式であるLTE規格の中において、IoTに特化するために策定された規格です。NB(ナローバンド)は、これまで利用されていた周波数帯より狭い180KHzの周波数を利用していますが、通信距離が最大値20km程度、スループットが100bpsとなっています。

LPWA規格が多く存在(乱立)する理由

これは、現時点で利用者の全てのニーズに応えうるLPWA規格がないためです。

例えば、既に仕組みが構築されているものを仕様に沿って利用するか、自社の要望に合わせ1からフルカスタマイズして利用したいかでも、二つのニーズに分かれます。

前者の場合は、事業者が無線通信網を提供するため、事業者側が基地局を設置し、運用や回線を安定的に提供してくれます。これにより、LPWA導入時に利用者はネットワークを使用する以外のことは考える必要がありません。

一方、後者の場合はアクセスポイントの設置場所など、ネットワークの仕組みや構成を利用者側で選択や変更することができます。もちろん、設備の選定から調達、運用までの工数が発生しますが、自由度は高まります。

上図のように、現状は複数のLPWA規格が存在しますが、利用者側で用途を明確になれば自ずと選択肢は限られるため、選定に迷うことはなくなります。