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再生可能エネルギー

2025.09.30

家庭用太陽光発電の導入メリットは?
設置業者の選び方や保守の重要性、ZEH住宅の意義についても解説

再生可能エネルギー

家庭用太陽光発電の導入メリットは?設置業者の選び方や保守の重要性、ZEH住宅の意義についても解説

家庭用太陽光発電は、電気代の節約や売電収入、災害時の電力確保といった多くのメリットをもたらすだけでなく、環境負荷の低減にも貢献できる再生可能エネルギーです。

特に蓄電池と組み合わせることで、昼間に発電した電力を夜間や停電時にも活用でき、エネルギーの自給自足が実現できるでしょう。

本記事では、家庭用太陽光発電の導入メリットから業者選びのポイント、保守の必要性、ZEH住宅における意義までわかりやすく解説します。

今、家庭用太陽光発電が注目されている理由

今、家庭用太陽光発電が注目されている理由
家庭用太陽光発電には、電気代の節約から環境保護、災害時の備えまで、さまざまなメリットがあります。ここでは、太陽光発電が注目されている理由について解説します。

経済的メリット

家庭用太陽光発電の大きな魅力のひとつが、電気代の削減につながる点です。自宅で発電した電力を日常的に使用することで、電力会社から買う電気の量を減らせるため、家計の負担を軽くできます。

特に昼間に電力をよく使うご家庭では、エアコンや家電の稼働にかかる電気を太陽光でまかなえるため、毎月の電気料金が目に見えて下がることも少なくありません。

環境への配慮

太陽光発電は、再生可能エネルギーの中でも特に身近で導入しやすい仕組みとして注目されています。従来の火力発電では、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料を燃焼させる過程で、大量のCO₂(二酸化炭素)やSOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)が排出され、地球温暖化や酸性雨などの深刻な環境問題を引き起こしてきました。

一方で、太陽光発電は発電そのものに燃料を必要としないため、運転中にこうした大気汚染物質を出すことがありません。日射を利用して発電する仕組みは「クリーンエネルギー」の代表格であり、家庭や企業で導入が進めば、地域全体のCO₂削減効果にもつながります。さらに、日本は再生可能エネルギー比率を高める「エネルギーミックス」の実現を目指しており、太陽光発電の普及はその中核的役割を担っています。

災害対策

太陽光発電は、環境面だけでなく防災対策の観点からも価値の高いエネルギー源です。日本は台風や地震など自然災害が多発する国であり、そのたびに広範囲で停電が発生してきました。こうした状況で太陽光発電システムが設置されていれば、昼間であれば自宅で発電した電力を利用でき、最低限のライフラインを維持できます。

たとえば停電時でも、日中の発電で冷蔵庫を稼働させて食材を守ったり、スマートフォンを充電して外部との連絡手段を確保したり、照明を点灯して夜間の安全を確保したりすることが可能です。蓄電池と組み合わせれば夜間や悪天候時にも電力を利用できるため、災害に強い住まいづくりにつながります。

実際に、災害後の復旧までの間に太陽光発電が住民の生活を支えた事例も多く報告されており、エネルギーの自給自足がもたらす安心感は計り知れません。災害時に必要となる通信手段や照明の確保は、家族の安心や安全につながります。

家庭用太陽光発電のメリット

家庭用太陽光発電のメリット

近年、光熱費の高騰や災害リスクの増加、環境問題への意識の高まりを背景に、家庭用の太陽光発電が注目されています。単なる「節電手段」ではなく、エネルギーを「自ら生み出し、ためて、使う」時代へと変化が進んでいる今、太陽光発電の役割はますます重要になっています。

ここでは、家庭用太陽光発電が持つ3つの主なメリットをわかりやすく紹介します。

電気代を大きく節約できる

家庭用太陽光発電の大きな魅力のひとつは、毎月の電気代を大幅に削減できることです。太陽の光から生まれる電力は、いわば0円の電気です。発電した分を自宅で使えば、それだけ電力会社から買う必要がなくなり、光熱費の負担が軽減されます。

たとえば3人〜4人の家庭では、1年で3,950kWh、1ヶ月で約330kWhの電気を使用するとされています。単純に30日分として割ると、1日当たりの電気使用量は、約11kWhです。

自家消費率(=自宅で使う割合)を全国平均の30%とすると、約3.3kWhの電気を自家発電でまかなうことができます。そうなると、1ヶ月あたりで使用する約330kWhのうち、約231kWh分の料金のみの支払いしか発生しないため、およそ99kWhの使用料金が節約できます。

もちろん、削減効果はライフスタイルによって異なります。昼間に家を空けがちな家庭よりも、在宅時間の長い家庭の方が、太陽光で発電した電力を多く活用できるため、自家消費率が高まり、節約効果も大きくなります。

※Buddy Net CONNECT編集部にて、「家庭部門のCO2排出実態統計調査」(環境省)、「地域活用要件について」(経済産業省・資源エネルギー庁)を参照し、作成

売電収入が得られる

家庭用太陽光発電のもうひとつの魅力は、発電した電力のうち使いきれなかった分を売電できることです。

太陽光発電システムで発電した電気は、まず自宅の電力として使用されますが、使用量を上回る電力が生じた場合、その余剰分は電力会社へと自動的に送電されます。この仕組みは「逆潮流」と呼ばれ、再生可能エネルギーの普及を目的とした「固定価格買取制度(FIT)」によって、電力会社が国の定めた価格で買い取ることが義務づけられています。

たとえば10kW未満の家庭用太陽光発電であれば、10年間にわたって一定の価格で売電できるため、発電量が多いご家庭では光熱費の節約に加えて売電による副収入も得られるというメリットがあります。

停電になっても電気が使える

地震や台風、大雨による土砂災害など、日本各地で自然災害が頻発する昨今、停電リスクは年々高まっています。特に、首都直下地震や南海トラフ地震の発生が現実味を帯びてきており、非常時の備えは家庭単位でも欠かせない課題となっています。

災害時にもっとも困ることのひとつが「電気の確保」です。照明はもちろん、携帯電話の充電、冷蔵庫の稼働、テレビやラジオによる情報収集など、私たちの暮らしは電気に深く依存しています。停電が長引けば、それだけ生活の質も大きく損なわれるでしょう。

こうした中で、太陽光発電を自宅に導入していれば、停電時でも一定の電力を自給することが可能です。さらに蓄電池を組み合わせておけば、夜間や悪天候時でも電力を使用でき、非常時における安心につながります。

蓄電池との併用することで更なる効果が得られる

太陽光発電は、太陽の光を受けて電気をつくる「物理電池」ともいえる仕組みで、日中に多く発電されます。しかし、太陽が沈む夜間や、曇天・雨天の日は発電量が落ちるため、そのままでは電気を使いたいタイミングに供給できない場合もあります。

そこで役立つのが「蓄電池」です。蓄電池は、化学反応によって電気を溜めておける「化学電池」の一種で、太陽光発電と連携させることで、発電した電気を効率よく活用できるようになります。

たとえば、日中に発電して余った電力を蓄電池に蓄えておけば、夜間や停電時でも電化製品を使用できます。特に災害による停電など非常時には、照明や冷蔵庫、スマートフォンの充電といった最低限の生活インフラを確保する手段として非常に心強いものです。

家庭用の蓄電池にはさまざまな種類がありますが、現在主流となっているのが「リチウムイオン電池」です。大容量で効率がよく、長寿命なのが特長で、家庭のエネルギー管理に最適な選択肢といえるでしょう。

太陽光発電と蓄電池の組み合わせによって、電気を「つくる・ためる・使う」サイクルが家庭内で完結し、電力会社に依存しない自立したエネルギー活用が可能になります。

太陽光発電の導入を後押し!
ゼロエミッション東京とは?

気候変動がもたらす危機が深刻さを増す中、世界各国では2050年までにCO₂排出実質ゼロを目指す動きが加速しています。日本においても、特に東京都はその最前線に立ち、環境施策を強化しています。

東京都は、2000年比で2030年までに温室効果ガス排出量を半減する「カーボンハーフ」を目標に掲げ、2019年にはその実現に向けた「ゼロエミッション東京戦略」を策定しました。2022年には東京都環境基本計画が改定され、2050年のゼロエミッション達成に向けた具体的な目標や制度の整備がさらに進められています。

この取り組みの中核をなすのが、再生可能エネルギーの積極的な活用です。中でも、家庭における太陽光発電の導入は、CO₂排出の抑制とエネルギー自立の両面で非常に重要とされています。

東京都は、こうした方向性を示すことで、都民や事業者と一体となった行動の加速を図っており、太陽光発電の導入支援制度や補助金の拡充なども進めています。

※Buddy Net CONNECT編集部にて、「ゼロエミッション東京」(環境局)を参照し、作成

ZEH住宅を建てるうえで太陽光発電は重要

ZEH住宅を建てるうえで太陽光発電は重要

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、年間の一次エネルギー消費量を断熱性能、省エネ設備、創エネ設備の3つの条件で正味ゼロ以下にする住宅です。

その中でも太陽光発電は創エネの中心的役割を担い、使うエネルギーよりも創るエネルギーを多くするために不可欠です。高断熱や省エネ機器だけでは消費エネルギーをゼロにできないため、太陽光発電によって創った電力で差し引きを行い、正味ゼロエネルギーを実現します。

また、再生可能エネルギーとしてCO₂削減にも貢献し、国の温暖化対策目標達成に直結するため補助金の対象にもなりやすい点も大きなメリットです。経済面では、自家消費による電気代の削減や、余剰電力の売電収入が見込めます。

一般的なZEHは「再生可能エネルギー導入100%以上」が条件となっており、都市部や多雪地など一部の例外を除けば、太陽光発電は事実上必須の設備といえます。

※Buddy Net CONNECT編集部にて、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」(経済産業省・資源エネルギー庁)を参照し、作成

家庭用太陽光発電の設置業者の選び方

家庭用太陽光発電の設置業者の選び方

再生可能エネルギーへの関心が高まる中、家庭用の太陽光発電を導入するご家庭も増えてきました。しかし、実際に設置を検討する段階になると、「どの業者に依頼すればよいのか」「価格や品質の違いはどこで見極めるべきか」といった悩みに直面する方も多いのではないでしょうか。

太陽光発電は、設置して終わりではなく、長期的な運用を見据えたうえで信頼できる業者を選ぶことが不可欠です。ここでは、施工実績や価格の妥当性、設置後のサポート体制など、後悔しないための業者選びのポイントを詳しく解説します。

施工実績

太陽光発電システムを安心して導入するには、施工実績の豊富さや技術力が業者選びの重要な判断基準となります。過去に多数の設置を手がけている業者は、屋根の形状や角度、日射条件、配線環境など、現場ごとに異なる条件に対応してきた経験があるため、柔軟かつ正確な施工が期待できます。

また、公式サイトに具体的な事例や写真が掲載されているかを確認することも大切です。「どのような規模の住宅や施設に導入したのか」「導入後の効果はどうだったのか」といった情報が示されていれば信頼度が高まります。

さらに、口コミやレビューで工事の対応やアフターサポートに関する評価を確認すると、実際の利用者の声が参考になります。問い合わせをした際に、スタッフが専門的な質問にも丁寧に回答できるかどうかも、技術力や誠実さを見極めるポイントです。

価格と質のバランス

太陽光発電の導入費用は決して安い買い物ではないため、「安さ」だけで判断するのはリスクが伴います。極端に低価格の見積もりは、パネルやパワーコンディショナの品質が劣っていたり、施工が不十分で後にトラブルを招く可能性があります。結果的に修理やメンテナンスで追加費用がかかり、長期的には割高になるケースも少なくありません。

一方で、必要以上に高額な見積もりにも注意が必要です。中には不要なオプションや過剰な機能をセットにして契約を迫る業者もあるため、価格と内容の妥当性をしっかりと見極めることが大切です。具体的には、自宅の屋根に合った発電量シミュレーションや、売電収入の予測が提示されているかを確認するとよいでしょう。

こうした情報をもとに複数の業者から見積もりを取り、価格と品質のバランスがとれた最適なプランを選ぶことが賢明です。

設置後のサポート体制

太陽光発電は、設置して終わりではありません。パネルの故障、パワーコンディショナーの不具合、蓄電池のトラブルなど、長期的な運用中に何らかの不具合が発生する可能性があります。こうした際に、迅速かつ適切な対応をしてくれる業者であるかどうかは重要です。

たとえば、「10年保証」「24時間対応のコールセンター」「年1回の定期点検サービス」など、具体的なアフターサポートの内容が明示されているかを確認しましょう。また、問い合わせ先が明確で、電話やメールでスムーズに連絡が取れる体制が整っているかもチェックポイントです。

さらに、設置後に業者が倒産してしまえば保証が受けられなくなるため、経営基盤が安定しており、長年事業を継続している実績があるかどうかも確認が必要です。信頼性のあるサポート体制が整っていれば、万が一のトラブル時にも安心して対応を任せることができます。

太陽光発電設置後の保守の重要性

太陽光発電設置後の保守の重要性

長期間にわたって安定して電力を得るには、設置後の保守体制が欠かせません。パネルや周辺機器は屋外に設置されるため、風雨・紫外線による劣化や汚れ、配線の損傷などが徐々に蓄積していきます。こうした変化は、発電性能の低下や安全性のリスクにつながる可能性があります。

そのため、定期的な清掃や部品交換、異常の有無をチェックする点検が重要です。保守を怠ると、火災や感電といった重大事故を引き起こす恐れもあるため、日常的な確認とメンテナンスの体制を整える必要があります。

また、FIT制度や法令により、一定規模以上の太陽光発電設備には定期点検が義務化されているケースもあります。

適切な保守を継続すれば、パネルの寿命を延ばすことも可能で、20〜30年を超えて稼働している事例もあります。こうした点を踏まえ、点検サービスや保証制度がしっかりした事業者を選び、長期的な維持管理を見据えた導入を検討しましょう。

バディネットがお手伝いできること

日本全国をカバーする施工・保守体制を有するバディネットは、すべてのモノが繋がるスマート社会の実現に向けて、電気・電気通信建設工事を中心とした社会インフラ構築工事業を幅広く展開しています。公共・産業用の太陽光発電設備や蓄電池の導入工事で数多くの実績を有しており、家庭用太陽光発電設備及び蓄電設備の新規導入から既存設備のリプレイスまで、さまざまなニーズに応えることができます。

また、各種許認可、電気工事士等の有資格者、多くのメーカーの施工IDを保有しており、太陽光発電設備の導入工事業者に求められる体制を整えています。現地調査や補助金申請を含めたコンサルティングに加え、機器・部材の調達、蓄電池の基礎工事、パワーコンディショナーの設置まで、一貫したサービスを提供しています。

さらに、保守運用ではバディネットの豊富な知識と経験を備えたフィールドエンジニアが、オンサイト保守に加えて、定期点検やメンテナンスにも柔軟に対応可能です。

まとめ

家庭用太陽光発電は、導入前の検討や業者選び、設置後の保守体制までをしっかり整えることで、何十年にもわたり暮らしと環境の両方にメリットをもたらしてくれるでしょう。電気代の削減はもちろん、災害時の非常用電源として家族を守る役割も果たしてくれるため、「環境への貢献」と「生活の安心」を同時に実現できる点は大きな魅力です。

さらに、ZEH(ゼロエネルギーハウス)の普及や再エネ推進政策とも相まって、これからの住宅におけるスタンダードな設備になりつつあります。

この記事の著者

Buddy Net CONNECT編集部

Buddy Net CONNECT編集部では、デジタル上に不足している業界の情報量を増やし、通信建設業界をアップデートしていくための取り組みとして、IoT・情報通信/エネルギー業界ニュースを発信しています。記事コンテンツは、エンジニアリング事業部とコーポレートブランディングの責任者監修のもと公開しております。

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