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2025.07.31

AGV(無人搬送車)とは?
メリットや導入時の課題、導入後の保守の重要性について解説!

AGV(無人搬送車)は、人手不足解消や生産性向上を実現する方法として多くの企業から注目を集めています。とはいえ、AGV運用のメリットや具体的な活用方法が分からず、導入をためらっている企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、以下について解説します。AGVの概要やメリット、活用方法や導入後の課題・解決策などを紹介します。

AGV (無人搬送車) とは?

AGVとは、Automated Guided Vehicleを略した言葉で、工場や倉庫などで荷物を自動で運搬する台車型ロボットを指す言葉です。磁気テープやQRコード、レーザーなどを活用し、あらかじめ設定したルートにそって正確に荷物を運搬します。AGVを運用すると荷物の搬送に人手を割かなくて済むため、現場での省人化が可能です。

人手不足解消や業務効率向上といった課題を解決する手段として注目を集めており、物流業界や製造業界を中心に、多くの業界で導入が進んでいます。

AGVの搬送方法の種類

AGVは、搬送方式の違いによってけん引型・潜り込みけん引型・リフトアップ型・自由積載型の4種類に大きく分類できます。以下は、それぞれの特徴をまとめた表です。

種類 方式・仕組み 特徴
 

けん引型

・AGVが台車をけん引して運ぶ方式

・複数の台車を連結して運ぶことも可能

 

・一度に多く運べるため、大量搬送向き

・量や荷姿にかかわらず柔軟な対応が可能

・サイズ展開も幅広い

・搬送距離が長い現場に適している

 

潜り込み

けん引型

 

・荷物が積まれた台車や棚などの下にAGVが潜り込み、搬送する ・既存の台車をそのまま活用できる

・棚ごと運べ、積み替える必要がない

・狭いスペースでも効率良く搬送できる

リフト

アップ型

 ・フォークリフトのようなリフト機能が搭載されており、AGV自体が荷物をリフトアップして運ぶ ・フォークリフト作業員の数を減らせる

・軽量タイプから約1トンまで対応できるタイプまで幅広い

自由

積載型

・AGV上に自由に荷物を載せて運搬する

・荷物を積む方法は、手動積載方式やコンベアを使った自動積載方式などがある

・段ボールやボックス型コンテナの運用に向く

AGVのタイプによって得意な現場や荷物は異なります。それぞれの特徴をよく理解して選択することが大切です。

AGVとAMRとの違い

AGVに似た機器にAMR(Autonomous Mobile Robot:自立走行搬送ロボット)があります。両者の特徴は以下の通りです。

  • AGV:事前にルートを設定し、設置されたガイドにそって決められたルートを自動走行する。経路上に障害物があれば、感知して停止する。
  • AMR:センサーなどを使って周囲の状況を把握し、自らが最適なルートを判断して移動する。経路上に障害物があれば、感知して迂回したり停止したりできる。

AGVは決まったルートで動くため安定した搬送が可能ですが、状況に応じた柔軟な変更や対応には向いていません。AMRはセンサなどから得た情報をもとに自律的な走行ができる点で、AGVとは異なります。AGVのようなガイドラインの設置をすることなく、自動走行が可能です。

AGVのメリットとは?

AGVの導入・運用には、以下のようにさまざまなメリットがあります。

  • 付加価値の低い搬送業務を任せられ、従業員がより重要な作業に注力できる
  • 搬送する荷物の間違いなどヒューマンエラーをなくせる
  • 重量物を従業員が運ぶ必要がなくなり、身体的負担が軽減する
  • 物流の無駄が軽減し、生産性の向上につながる

従業員が荷物を搬送する際は、それまでの作業を中断する必要があります。工程ごとに中断していると、全体として大きな停滞につながりかねません。AGVに搬送を任せることで、従業員は作業に集中できるようになります。

身体的な負担が減り、運搬ミスも減らせるため、生産性や作業効率が向上するでしょう。生産性が上がれば、省人化も可能です。

AGVの活用方法

AGVは製造業や物流業を中心に、食品業界やサービス業界など幅広い業界の現場で活躍しています。以下で、業界別のおもな活用例を紹介しましょう。

業界・シーン 活用方法
製造業界(製造現場) ・製造ラインへ部品を供給する

・中間製品を後工程に回す

物流業界(倉庫) ・入荷した物品を保管場所へ移動させる

・出荷場所に運び込む

医療業界(医療機関) ・医療機材や医薬品を搬送する

・入院患者に食事を配膳する

飲食業界(飲食店) ・お客様の料理をテーブルに運ぶ

・テーブルからお皿を下げる

宿泊業界(宿泊施設) リネンやアメニティ類を運ぶ
農業(農場) ・収穫品を保管庫まで搬送する

上記以外にも、業種や状況に応じて多様な形で活用することが可能です。

AGVの導入における課題と解決策

AGVの導入にはたくさんのメリットがあるものの、運用環境やシステム面ではいくつか課題も存在します。導入を検討している場合は、メリットだけでなくどのような課題があるかも知っておきましょう。

ここでは、おもな課題と解決策を解説します。

工場のレイアウトによる制約がある

AGVは、基本的に磁気テープやQRコードなどでガイドを作り、設定したルートにそって走行する仕様です。工場のレイアウトやAGVの種類によっては、スムーズな導入が難しい場合があります。たとえば、通路が極端に狭かったり傾斜が大きかったりする場合です。

また、たとえば多品種少量生産を基本とし、ひんぱんに生産ラインの変更がある工場では、そのつどガイドを再設定しなければいけません。ひんぱんにガイドを再設定すると、そのたびにコストや手間が発生します。

解決策としては、以下が考えられるでしょう。

  • レイアウトを見直し、AGV専用通路を確保する
  • ガイドレスAGVや光学式AGVを導入する
  • AMRも選択肢として検討する

ガイドレスAGVは、誘導体なしに自律走行できるAGVです。コスト削減を重視するなら、誘導体として磁気テープではなく一般的なビニールテープが使える光学式AGVにする方法もあります。

他システムとの連携が困難

他システムとの連携が難しい場合がある点も、課題として挙げられます。

AGVは基本的にガイドにそって動くため、単体では複雑な動きには対応しきれません。そのため、製造現場であればMES(製造実行システム)、物流現場であればWMS(倉庫管理システム)など、業務に即したシステムと連携することでより効果を引き出せるようになります。

ところが、既存のシステムが古かったり独自仕様で構築されていたりすると、連携が難しいケースがあります。ただ、近年は標準的なAPIや通信プロトコルへの対応が進んでおり、他システムとの連携が可能なAGVも増えていることは確かです。

導入前には、連携したいシステムをしっかり調べ、連携が可能か確認することが必要です。自社の人材で対応が難しい場合は、専門業者に相談しましょう。

運用・保守体制の構築が必要

AGVは一度導入すれば終わりではなく、長期間安定的に稼働させるためには適切な保守・管理が欠かせません。メンテナンスせずに放置すると、うまく稼働しなくなるリスクがあるためです。1台でもスムーズに動かなければ、全体の作業に大きな支障をきたしかねないでしょう。

不具合を発生させず、仮に発生してもすぐに対処できる保守体制を構築する必要があります。信頼できるサポート業者と保守契約を結んで、定期検査を受けることが大切です。また、現場では日頃から異常な挙動がないか観察し、トラブルが発生したときは業者に対応を依頼しましょう。現場のスタッフが適切な一次対応を取れるように、マニュアルを作成して現場に設置しておくことも有効です。

バディネットがお手伝いできること

日本全国にサービス拠点を持ち、サービスロボット導入支援業務において業界随一の実績を誇るバディネットには、特定のメーカーや種類のロボットに偏らず、様々なサービスロボット(清掃ロボット、配膳ロボット、案内ロボット、警備ロボットなど)の特性、機能など技術面を熟知しているエンジニアが多数在籍。AGV導入業務にも対応できます。

また、ロボットエンジニア部隊と24時間365日有人対応が可能な3拠点のコンタクトセンターを連携活用することで、AGVの導入に必要な、誘導ルート等のインフラ構築、導入支援から導入後の定期点検、障害発生時における問い合わせ窓口からオンサイト保守までワンストップでご提案が可能です。

まとめ

AGVは、自動走行して荷物を運搬するロボットです。人手不足解消や業務効率化に役立つとして注目を集め、工場や倉庫をはじめ、オフィスや医療機関、飲食店など幅広いシーンで活用されています。

けん引型やリフトアップ型などいくつかのタイプがあり、適した種類は事業形態や業務内容によって異なります。また、定期的にメンテナンスするなど、保守体制を構築することも必要です。バディネットでは、ベンダー様の具体的なニーズに合わせて、柔軟性をもった最適なソリューションを提案させて頂きますので、AGV導入にあたってはお気軽にご相談下さい。

この記事の著者

Buddy Net CONNECT編集部

Buddy Net CONNECT編集部では、デジタル上に不足している業界の情報量を増やし、通信建設業界をアップデートしていくための取り組みとして、IoT・情報通信/エネルギー業界ニュースを発信しています。記事コンテンツは、エンジニアリング事業部とコーポレートブランディングの責任者監修のもと公開しております。

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