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2020.09.04 2020.09.04

LPWAとは?概要と定義

IoT 通信建設

LPWAとは?概要と定義

こちらのページでは、通信インフラ事業者よりLPWA基地局工事・センサー設置調査保守業務を請け負う株式会社バディネットによる「LPWAとは?概要と定義」の解説記事を紹介しています。各種お問い合わせは、本ページ下部にある「お問い合わせ」ボタンよりお願いいたします。

LPWAとは?

“LPWA(読み方:エルピーダブリューエー)”とは、”Low Power Wide Area”の略語です。日本語では、”Low Power”が「省電力」、”Wide Area”が「広域エリア」といった意味となります。また、類語で”LPWAN(読み方:エルピーワン)”がありますが、こちらは、”Low Power Wide Area Network”の略語となり、意味は「LPWAを用いて構築したネットワーク」です。

特定の技術やサービスのことを指しているわけではないため、わかりそうでわかりづらい”LPWA”ですが、簡単にメリットも交えわかりやすく一文でまとめると「消費電力を抑えながらセンサーが取得した情報を遠くまで送信するIoT向け無線通信技術」と表せます。

※「IoT向け」とありますが、ITエンジニア等の専門職に限った話ではなく、一般消費者が日常的に使用しているインターネット通信を用いて実現するIoT社会の一規格を指します

ちなみに、”Wikipedia”では次のように定義されています。「Bluetoothなどの近距離無線(~数十m程度)では満たせないカバレッジの無線アクセスの分類。低消費電力、低ビットレート、広域カバレッジを特徴とする。LPWAの明確な定義は定まっていないが『長距離のデータ通信』、『低消費電流』という2つの特徴を満たしている通信ネットワークがLPWAと呼ばれている。」

LPWAの用途

LPWAは公共サービスや産業活動、個人の生活にいたるまで様々なシーンの「見える化」に寄与し、それら抽出したデータをAIで自動的に分析するという効率的なソリューションへとつながるため、実に幅広い使い道があります。

例えば、公共サービスの場合、自然災害対策として河川の水位などのデータをネットワーク経由で集め監視することで、氾濫、崖の崩落、ダムの決壊を予見し近隣の住民を守ります。

産業分野であれば物流・輸送管理の効率化を図ることができ、個人の生活においては地域振興や市民生活の利便性向上を目指すスマートシティやスマートコミュニティを支える技術として活用できます。

「LPWAは何ができる?」「何に使うの?」といった目的に対しては、まだまだできることや可能性が拡がるため今日も日本のどこかで実証実験が行われています。

※当社バディネットのLPWA基地局・センサー設置実証実験はこちら

他通信規格とLPWAの違い

他の通信規格との違いについて、通信距離と通信速度の二軸で下図にまとめました。この図から、LPWAはLTEやWi-Fiなど他の通信規格に比べ遠距離・低速度ということがわかります。

他の通信規格との違いについて、通信距離と通信速度の二軸でまとめた図

LPWAの利用シーン・利用例

  • 物流
    国をまたいで船や飛行機で輸送を行う際のパレット(荷物を載せるための荷役台)の紛失を防ぎ、パレット自体の配置や動線を把握することで業務の効率化に繋げる。
  • 農業
    水田の水管理のように人が現地に行って計測していたり、人の勘に頼ってやっていたりするものをデータ化していく。
  • 温湿
    ビニールハウス内、養鶏場、酒蔵(ワイナリー)、電子部品倉庫などで温湿を自動計測・管理していく。
  • 水道スマートメーター
    日本では電力業界で導入され、ガスや水道にも広がっているが、今後も電力、ガス自由化など業界の変化に即してLPWAが活用されていく可能性がある。
  • ゴミ箱
    ゴミ箱の中にあるゴミの量を「見える化」することで運用が効率化できる。例えば、空っぽのゴミ箱には収集に向かわず、満タンになりそなゴミ箱に向かわすなど。これにより、交通渋滞の減少効果も見込める。
  • スマートシティー
    移動を管理する見守り支援、トイレや駐車の使用状況モニタリングなど。それらを、AIで自動的に分析する取り組みが行われていく。
  • 登山
    通信がなかなか届きにくい山中で登山者の安全を確保する。
  • 動物愛護
    アザラシの頭にセンサーデバイスをつけて普段の生活を追尾し、それをビッグデータ化して見える化し、今後の保護に繋げる。

LPWAの課題

ここでは、LPWAが抱える現時点の問題点として下記の3点を挙げます。

  1. 日本国内でのDX(デジタルトランスフォーメーション)導入が海外に比べ遅く、ひいてはIoT=LPWAの導入や実施ハードルがまだ高いと感じられています。
  2. まだLPWAの普及率が高いとはいえず、通信モジュールやチップなどメーカーの量産投資が高まらないため、通信量は安いがLPWAデバイスが高コストとなってしまっています。
  3. LPWAはネットワーク構築への投資が少なくて済む一方、競合などの存在から回線料金を低く設定せねばならず薄利多売となってしまう。そのため、回線事業だけに依存しないビジネスモデルの確立が求められています。

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